蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

まさかあの柚木さんが泣くなんて、考えていなくて。


でも、柚木さんはやっぱりそこまで弱い人ではなくて、僕がひるんだ隙をついてメール文の返信ボタンをクリックしていたのだ。


「あ、なにすんだよ!」


ハッと我に返ったときにはもう遅い。


柚木さんは片手でキーボードを操り《了承しました》と短い文章を相手に送信していたのだ。


なんつー早業なんだ。


僕は唖然とするしかない。


「はい、これでOK」


柚木さんはマウスを僕の手の中に戻し、勝ち誇った笑顔を浮かべてそう言ったのだった。