蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

蘇らせ屋にやってくる仕事は、愛する者を失った悲しみに包まれたものがほとんどだ。


和男さんの場合も同じだった。


けれど、今回はそこに強い憎悪が混ざっている。


ストーカーという悪意ある憎悪が。


もし巻き込まれたら、こっちが被害を受ける可能性も高い。


相手は真理さんを自殺にまで追い込んだ奴なのだから、油断はできなかった。


「受けるんだよね？　じゃないと拓也さんって人がかわいそうだよ！」


悩んでいる僕を見て柚木さんが判断を急かす。


「待てよ。簡単に依頼を受けてもし事件に巻き込まれたらどうするんだよ」


「そのときはまた私が解決してあげる！」


柚木さんは胸を張り、自信満々にそう言い切った。


そうだった、今は柚木さんがいるんだ。


この依頼を受ければ否が応でも首を突っ込んでいくはずだ。


そうなれば僕にもとばっちりが来るのは目に見えている。