和男さんは間違いなくアンリを助けようとしたのだろう。


意識もあったから、自分だけでどうにかなると考えたのかもしれない。


だけど雨は止まなかった。


血はどんどん溢れ出す。


それが、こんな結果になってしまうなんて。


「和男さんは死んでもまだあなたのことを守ろうとしてる。だけど、和男さんにも親がいるんです」


柚木さんの言葉に男性がハッと目を見開いた。