蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

ん?


僕の聞き間違いだろうか?


なんの躊躇もなく真犯人を口にした柚木さんに、僕は瞬きを繰り返す。


いくら彼女が常識外れだと言っても、人が2時間前から見ていたテレビドラマの真犯人を、こんなにも簡単に暴露するような人ではない……と、思いたかった。


「若女将とこの男が恋人同士だったんだけど――」


「ちょっと待て!!」


僕は柚木さんを睨み付けてそう言った。


「なに? 早く真犯人が知りたかったんでしょ?」


柚木さんは首を傾げてそう聞いてくる。


そりゃ知りたかったよ。


だから2時間も見てたんだからな。


でもそれは柚木さんの口から聞きたくて見ていたワケじゃない。