蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

☆☆☆

家に戻ってダラダラと時間を過ごしていれば、きっと書店に行くことなんて忘れてしまうだろう。


そう思って僕が一番お気に入りのゲームを柚木さんに貸したのに、彼女は午後4時半を回った頃部屋から出て来た。


片手には僕の貸したゲームが握られている。


「どうした? もうクリアした?」


最低でも7時間はかかるゲームだと言われているから、そんなはずはないと思いながらも、一応そう声をかけた。


「ううん。一旦ゲームはやめ。書店へ行かなくちゃ」


柚木さんはそう言って今日被っていた僕の帽子を再び深くかぶった。


チッ、忘れていなかったのか。


僕は内心舌打ちをして、テレビへと視線を向けた。


今ちょうどミステリードラマの山場を迎えた場面だった。


「ちょっと待ってよ。もうすぐ真犯人がわかるんだ」


「あぁ、これの犯人は若女将だよ」