蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

免許を持っているかどうかも怪しい。


「まぁ、人によっては無免許でも運転するけどね」


スラッとそんなことを言ってしまう柚木さんに僕は目を見開いた。


あの子が無免許運転をして、揚句ひき逃げ?


いや、無免許だからこそ逃げ出したのかもしれない。


そうだとすれば大問題だ。


「なにか考えが暴走してそうだけど、私はあの子が犯人だとは思ってないよ」


「は? じゃあなんだよ」


今の流れから言えばあの子が犯人だと言っているようなものじゃないか。


「よし、和男さんと同じ景色を確認することができたし、夕方にもう1度来ようか」


なにかに満足したのか、柚木さんは出入り口へ向けて歩き出す。


「は? また来るのか」


僕は柚木さんの後を追いかけてそう声をかけた。


「当たり前でしょ。謎はまだ解けてないんだから」


僕は蘇らせ屋で会って探偵じゃない。


そう言いたかったけれど、柚木さんの鼻歌が聞こえてきて僕は口を閉じた。