蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「和男さんは本が欲しくて本屋に来ていたのか、それとも、誰かに会いたくて本屋に来ていたのか」


「は? そんなの――」


本を買うためだろ?


そう思ったけれど、続けて言葉が出なかった。


同じ本が並んだ棚。


袋に入ったままの積読。


彼女のいない和男さん。


僕はレジへと視線を向けた。


ここから見える景色は、1人の可愛いアルバイト……。


「まさか!」


「おそらく、そのまさかだよね」


「で、でもあの子高校生くらいだぞ? 車の運転はできないだろ」


彼女がひき逃げの犯人と断定するには、早すぎる。