蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

☆☆☆

僕の仕事はすべて終わったはずだった。


後日若竹さんから依頼料が振り込まれて、すべて終わるハズだった。


それが、どうしてこんなことになっているんだろう。


僕は柚木さんの後をついて歩き、駅前まで戻ってきていた。


「ここの本屋さんに良く立ちよってたんだよね?」


本日2度目の本屋までやって来て柚木さんはそう言った。


「こんなところに来たって、犯人捜しなんてできない。見当もつかないんだから」


そもそもお前はこんなに堂々と外へ出ていい存在じゃないだろうが。


と、心の中で毒づいた。


「見当? そんなのとっくについてるじゃん」


呆れ顔でそう言われ、僕は瞬きを繰り返した。


「何言ってんだよ。和男さんの人間関係を調べたワケじゃないのに、わかるハズないだろ」


事件の推理をしたことがあるワケじゃないけれど、ある程度聞き込みなどを行わないと犯人に辿りつかないことくらい、知っていた。