会話がうまく行かなくて、僕が怒鳴られたこともある。


若竹さんのようにこちらに気をつかってお礼を言ってくる人もいるけれど、それは見ていてとても辛かった。


「和男とは色々な話をしました。死んだ後のこととか」


若竹さんの言葉に柚木さんは興味深そうに目を開いた。


「死後でも49日経過するまではいつもと同じような生活をしたり、行きたかった場所へ行けるようになったと言っていました。和男は今幸せなんだと知る事ができて、私もようやく安心できました」


そう言い、微かにほほ笑みを浮かべる若竹さん。


「そうですか……」


「でも、肝心なことはなにも教えてくれませんでした」


声のトーンが低くなる。


「……交通事故のことですか?」