仕事の合間も、航は幸多の事が気になって仕方がなかった。
念のためにと、女の実家周辺を捜索させていたが、二人の足取りは一向につかめなかった。
あの日、幸多に持たせたスマートフォンは会社の備品ということもあり、紛失したということで紛失場所の捜索もさせていたが、最後に確認できたのは幸多を通わせたパソコン教室で、それ以降の居場所はつかめていなかった。
成人した男と女が一つ屋根の下、しかも、一つしか部屋がなく、寝具も一つしかない部屋で暮らしていた以上、二人が既に深い仲であることは航からすれば疑う余地がなかった。
幸多の生活は、常にギリギリでアルバイトをし、あの安アパートに住み、大した所持品もない。
強いて言うなら、女と一緒に寝るために買ったと思われる、部屋に似つかわしくない新しいシングルベッドが一番高価な資産と言う生活を送っていたのだから、当然、子供を持つことなどは考えもしていなかっただろう。そうだとすれば、まだ性の知識も乏しく、言うなれば盛りのついた猫のような無計画な関係は持っていなかっただろうから、例え自分から逃げるという計画外の状況においても、相手を孕ませるという心配はないだろうと、航は冷静さを取り戻そうと、幸多の生活を冷静に分析した。
幸多が働いていたスーパーの店長は、幸多が辞めることを伝えると、しつけのなっていない犬の如く電話で叫び、非常識だ、大人としての自覚はないのか等とごたくを並べた挙句、酷く失礼な言葉を投げつけて電話を切った。あの様子なら、幸多が姿を見せればすぐに店から蹴り出されるのが落ちだろう。
働く場所がなくなれば、あの安アパートの家賃だって払うことが出来なくなる。そうなれば、幸多にとって頼れる人間は、父親である自分しかいなくなる。
航はそう考えることで、なんとか幸多を無事に取り戻せると信じようとした。
☆☆☆
念のためにと、女の実家周辺を捜索させていたが、二人の足取りは一向につかめなかった。
あの日、幸多に持たせたスマートフォンは会社の備品ということもあり、紛失したということで紛失場所の捜索もさせていたが、最後に確認できたのは幸多を通わせたパソコン教室で、それ以降の居場所はつかめていなかった。
成人した男と女が一つ屋根の下、しかも、一つしか部屋がなく、寝具も一つしかない部屋で暮らしていた以上、二人が既に深い仲であることは航からすれば疑う余地がなかった。
幸多の生活は、常にギリギリでアルバイトをし、あの安アパートに住み、大した所持品もない。
強いて言うなら、女と一緒に寝るために買ったと思われる、部屋に似つかわしくない新しいシングルベッドが一番高価な資産と言う生活を送っていたのだから、当然、子供を持つことなどは考えもしていなかっただろう。そうだとすれば、まだ性の知識も乏しく、言うなれば盛りのついた猫のような無計画な関係は持っていなかっただろうから、例え自分から逃げるという計画外の状況においても、相手を孕ませるという心配はないだろうと、航は冷静さを取り戻そうと、幸多の生活を冷静に分析した。
幸多が働いていたスーパーの店長は、幸多が辞めることを伝えると、しつけのなっていない犬の如く電話で叫び、非常識だ、大人としての自覚はないのか等とごたくを並べた挙句、酷く失礼な言葉を投げつけて電話を切った。あの様子なら、幸多が姿を見せればすぐに店から蹴り出されるのが落ちだろう。
働く場所がなくなれば、あの安アパートの家賃だって払うことが出来なくなる。そうなれば、幸多にとって頼れる人間は、父親である自分しかいなくなる。
航はそう考えることで、なんとか幸多を無事に取り戻せると信じようとした。
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