すっかり新鮮味を忘れた道を三十分ほど歩き、相原家の前へ着いた。
二階建ての相原家を見上げ、昨日の大翔との会話を思い出した。
彼は、檸檬や葡萄、薄荷や八朔などに加え、読込中…や陸の上の海上自衛隊などと書かれたティーシャツを愛しているのだった。
今日はどんな文字を抱えて出迎えてくれるのだろうと思いながら、昨日と同じように「美紗様がお見えです」とふざけた文字を送信した。
しばらくして玄関のドアが開けられ、そこから顔を出した大翔は、すっかり忘れていた言葉が刻まれたティーシャツを着ていた。
「お疲れ様です」と笑顔を見せる。
ティーシャツに刻まれた言葉に対する衝撃と同時に、「『取り越し苦労』かよ」と半ば叫ぶように言った。
大翔は「ああ……」と呟いたあと、楽しそうに笑った。
「笑ってんじゃねえよ。『取り越し苦労』とかこっちの台詞だわ。
昨夜死にそうだったとか言うからしょうがねえ行ってやるべと思ってきたら。
今聞こえてる蝉さんの声の五十倍は元気じゃねえか」
終始叫ぶように言葉を並べると、大翔は「なに怒ってるの?」と頭の上に疑問符を浮かべた。
一発、昨夜死を覚悟するほど痛んでいたあの腹に拳を食らわせてやるべきだろうか。
二階建ての相原家を見上げ、昨日の大翔との会話を思い出した。
彼は、檸檬や葡萄、薄荷や八朔などに加え、読込中…や陸の上の海上自衛隊などと書かれたティーシャツを愛しているのだった。
今日はどんな文字を抱えて出迎えてくれるのだろうと思いながら、昨日と同じように「美紗様がお見えです」とふざけた文字を送信した。
しばらくして玄関のドアが開けられ、そこから顔を出した大翔は、すっかり忘れていた言葉が刻まれたティーシャツを着ていた。
「お疲れ様です」と笑顔を見せる。
ティーシャツに刻まれた言葉に対する衝撃と同時に、「『取り越し苦労』かよ」と半ば叫ぶように言った。
大翔は「ああ……」と呟いたあと、楽しそうに笑った。
「笑ってんじゃねえよ。『取り越し苦労』とかこっちの台詞だわ。
昨夜死にそうだったとか言うからしょうがねえ行ってやるべと思ってきたら。
今聞こえてる蝉さんの声の五十倍は元気じゃねえか」
終始叫ぶように言葉を並べると、大翔は「なに怒ってるの?」と頭の上に疑問符を浮かべた。
一発、昨夜死を覚悟するほど痛んでいたあの腹に拳を食らわせてやるべきだろうか。



