涙に逢うまでさようなら

次の日も、わたしは大翔からのメールで目を覚ました。

おいおい大丈夫かよと思いながら本文を確認する。


昨日はあれからしばらく話したあと別れたのだが、わたしは別れ際に、死にそうなら連絡をくれと言ったのだ。

それで連絡を寄越したということは、そういうことなのだろうか。

死にそうなときに医者の前にわたしへ助けを求められても困るのだがと思いながら本文に目を通す。

「おはようございます。相原、とりあえず生きてます。ただ相原、寂しくて死にそうです」とのことだった。

舌打ちが出た。

痛みじゃねえのかよ、という言葉も続く。

「生きているなら何よりだ。ところで実際のところ、うさぎも寂しさで死ぬことはないらしい。

君は人間だ。寂しさに負けて命を落とすことはないだろう」と返信した。


「俺はもしかしたら人間ではないのかもしれない。俺は昨夜、死を覚悟した。君がいなくなり、あまりに寂しかったのだ。

一人闇の中、このままこの世に別れを告げることになるのではないかと考えていた」

「なあ大翔。さっき気持ちの悪い文章が送り付けられてきたのだが、犯人に心当たりはあるか? そいつは、まるで恋人を失ったある物語の主人公のような文章を送ってきた」

「いやあ……。知らないなあ、そんな人。気味が悪いね、そのメールは削除しておいた方がいい」

返ってきた大翔の文章に、彼の苦笑する姿が目に浮かんだ。

満足したわたしは、「そうするよ。一人でいるのはなんだか怖いから、そちらへお邪魔させていただく」と返信した。