テーブルの下に置いてある袋から割り箸を一膳取った。

袋の中には他に一膳も入っていない感覚で、中身を確認した。

袋の端に一膳残っていた。

明日の行き先はショッピングタウンだなと思った。


一口目のラーメンをすすると、財布の中の金が少ないことを思い出した。

夜に父親から頂戴しようと考える。


食後、シャワーを浴びてからベッドに仰向けになって時間を潰した。

壁に掛かっている時計の秒針の音に、焦りのような感情で胸がざわつく。

呼吸を速め、唇を噛んだり手を握ったりしてごまかす。

やがてごまかしがきかなくなり、勢いよく起き上がった。

ベッドの下に足をおろし、貧乏揺すりのように動かす。

少し力を入れた両手のひらでは、シーツに繰り返し円を描いた。