涙に逢うまでさようなら

「で?」

言いながら、わたしは何時までここにいたらいいのだと尋ねようと大翔を見た。

相変わらず丸くなっており、浅い呼吸を繰り返している。


わたしも優しい人間になったものだと思った。

腹部の痛みに耐える男を見て、そいつの願いを叶えてやりたいと思えるようになったのだ。

コンパクトな大翔にタオルケットを掛けてやり、ベッドに寄りかかるようにして彼のそばに腰を下ろした。

携帯を開き、ルールさえ曖昧になっているゲームアプリを開く。

黄緑色を背景に浮かぶ白いロード中の文字を眺めながら、このアプリを最後に開いたのはいつだっただろうかと考えた。

やがて懐かしいマップが表示された。

ゲームはレベル八百で止まっていた。

終わりの見えないパズルゲームで、わたしの記憶では二千くらいまでのレベルが公開されていた。