涙に逢うまでさようなら

「……ごめん、まとまりを知らない言葉を長々と。

まあとにかく、大翔は兄に負けてないから。多少勉強を休んだところで支障ない」

わたしが言うと、大翔は少し不安げな表情を作った。

「じゃあ誓おう。もしも、今回休んだがために兄を超す大学へ行けなかった場合、わたしが君を君の兄より稼がせる。

君の目標は兄に勝つことだろう? 学歴で負かせた場合、わたしは君を金で勝たせる。

その頃君の兄がどこでいくら稼ぐどんな人間になっているかなど知る術も知りたいという気もないが、誓うよ」

大翔は一度深く呼吸をし、「どうやって?」と問うた。

「言ったろう。わたしは自営業をやる。そこで、そのときの君の兄以上の額で君を雇う」

「脳天気だねえ」

大翔は腹部をさすりながら言った。

「腹殴ろうか? ポジティブシンキングと言ってちょうだい」

わたしは一言を返すと、ノートや教科書をまとめ、トートバッグへ入れた。

「帰るの?」と言う大翔に「あんたもな」と返す。