涙に逢うまでさようなら

眠りにつけないまま朝を迎えた。

家族が皆家を出たのを確認してから羽織った、

裾にドクロのアップリケが付いている黒いパーカーにジーンズ合わせ、

トートバッグを手に家を出た。

筆記用具のほか、必要な教科書とノートだけを入れたトートバッグはそれほど重くない。


公園に着き音楽プレーヤーを確認すると、時間は九時五分と表示された。

イヤホンを外し、プレーヤーの音楽も停止させる。

イヤホンを繋いだまま、プレーヤーをトートバッグに入れた。

トートバッグの内ポケットから清涼菓子の容器を取り出し、振って出てきたそこそこな量の菓子を口に放る。

それを一気に噛み砕くと、なんとなく気持ちが落ち着いた気がした。


昨夜から、なにに対するものかもわからない焦燥感が拭えない。

気に入っているダンスミュージックにも、いまいち浸れなかった。

ふと、熱風が前髪を揺らした。

人の気配がない公園に鳥の声が響くのを聞くと、焦燥感がより存在を大きくした。

上下の唇を強く噛み、左右の拳で両方の太ももを叩いた。