涙に逢うまでさようなら

マスクを着用して物置へきた。

なにせ我が家で唯一何年も手入れのされていない部屋だ。なにがあるかわからない。

一年のうちに一度でも人が入ればいいようなここは、数年前になにかを探して入ったときと全く変わっていない。

着なくなった服や使わなくなったものが全てここに押し込まれている。

両親も兄も、ものが捨てられないのだ。

無論、わたしも同じ血を受け継いでいる。

家族四人仲よくものを捨てられないため、一階の目立たない場所にあるこの部屋が物置へと化したのだ。


一発思い切りくしゃみをし、教科書を探して奥へ進む。

なにかの下敷きになっている可能性もある。

山のようになっているいろいろなものを掻き分け、まずは床を探す。

一番下の床に出会わないことには、なにかの下敷きになっている可能性が高い教科書には会えない。