涙に逢うまでさようなら

今日の勉強も、五時間ほどで終わりを迎えた。

日没前に家に着いた。

家族が帰宅する前に部屋に篭ってしまおうと、家に入ると着替えを取りに部屋へ寄り、浴室へ向かった。

洗濯機の中を覗くと、兄――雄輔の衣類が入っていた。

ラッキー、と心の中で呟く。

先に入っていたものの下に隠すように入れておけば、わたしの衣類の存在に気づかずに洗濯機をまわした母親が洗濯してくれる。

彼女が、気づかずに洗ってしまった娘の衣類を勝手に処分するほどの人間でなかったことに改めて感謝する。