部屋に入ってすぐ、ドアのそばに置いてあるかごからカップ麺を取った。

シリコンのような素材でできたその紫色のかごには、大量のカップ麺を放っている。

雑に放っているため、中にまとまりはなく、きちんと入っているものもあれば横向きや逆さになっているものもある。

中に入っているカップ麺の種類はいろいろだ。

ラーメンにうどん、時々そばも入っている。

食べられるものならなんでもいいのだ。

そのときなにを食べるかは、透明なフィルムを剥がすときに注目してやっと知る。

明かりを点けたところ、今回はしょうゆラーメンだった。


テーブルに散乱するつゆやスープの残ったカップ麺の容器を一部に集め、今回のしょうゆラーメンにポットの湯を注ぐ。

寄せたカップに巻き込まれた白と水色の砂時計のうち、白い方を返した。