涙に逢うまでさようなら

翌日、目を覚ましたのは十二時過ぎだった。

自分らしくもなく、家に帰ってきてからも大翔のことを考え続けたために眠りについたのが日が昇ってからだったのだ。


まじかよと心の中で呟き、髪の毛を掻き乱す。

前髪が口元まであるこのショートヘアは、それまでずっと腰の辺りまであった小学校四年生の頃に切ったものだ。

家族には前髪が邪魔だと言われたが、自分では気に入っているため今日まで続けている。


ベッドを降りると、昨日のうちに置いておいた碧色のプルオーバーに着替えた。

充電のためにカップ麺の容器とともにテーブルの上に置いていた、イヤホンの繋がった音楽プレーヤーを手に取る。

イヤホンを装着し、音楽を再生してから、ノートと筆記用具の入ったトードバッグを肩に掛け、部屋を出た。