しんとした閉店後、裏に大翔と二人でいた。

なっち店長から送られてきた二号店の前に並ぶ十四人の友人との写真を眺めたあと、雑貨屋HEROの評判を調べた。

結構な数のレビューが書き込まれていながら、評価の平均は五点満点中四点だった。

本店の評価は、「本店のあいはらさん超かっこよかった」、「相原さんステキ」といったものが多かった。

二号店の評価は、「店長さんめちゃくちゃ面白い」、「店長さんと話すとあっという間に時間が経ってしまう」といったなっちへの好評が多い中、「店員さんがみんな感じいい」という評価もあった。


「ねえ大翔、これ見てすごいよっ?」

帰る準備をする彼の顔の前に携帯を持っていった。

「大翔すごい人気だよ? かわいい、爽やか、感じいいってさ」

わたしが言うと、「この店のプラスになれて嬉しいよ」と大翔は笑顔を見せた。

「プラスどころじゃないよ。大翔が来てくれてから、お店の売り上げがすごい上がったの」

携帯を頭上に上げ、それを見上げた。

「ありがとう」と再び大翔の顔を覗き込む。

「大翔はやっぱりヒーローだね」

笑顔で言うと、大翔は少しばかり顔を赤らめた。

わたしは「本当はずっと思ってたんだけど」と続ける。

「わたしも、大翔がそばにいると落ち着くよ?」

ふふっと笑いを続けると、大翔もつられるように笑った。

「これからも一緒にいてね」





涙に逢うまでさようなら 完