しばらく足元を眺めてから、風の音がうるさくてイヤホンを外した。
ポケットに突っ込んだままの右手でプレーヤーを操作し、音楽を止める。
髪の毛を揺らし続ける風に誘われるようにフードを脱ぐと、バスケットボールほどのピンク色のボールが転がってきた。
五歳くらいに見える少年が走ってくる。
彼の方へ転がしたボールは風に煽られ少し左へ曲がったが、少年は上手く受け取った。
「ありがと」
慣れないように言葉を並べる少年に、「どういたしまして」とゆっくり返す。
無意識のうちに口角が上がっていたことに気づく頃には、少年は母親と思しき人物の元へ戻っていた。
ポケットに突っ込んだままの右手でプレーヤーを操作し、音楽を止める。
髪の毛を揺らし続ける風に誘われるようにフードを脱ぐと、バスケットボールほどのピンク色のボールが転がってきた。
五歳くらいに見える少年が走ってくる。
彼の方へ転がしたボールは風に煽られ少し左へ曲がったが、少年は上手く受け取った。
「ありがと」
慣れないように言葉を並べる少年に、「どういたしまして」とゆっくり返す。
無意識のうちに口角が上がっていたことに気づく頃には、少年は母親と思しき人物の元へ戻っていた。



