「ああ店長、おつかれさまです」
腹話術が特技だというあまり唇を動かさずに喋る倉さんという愛称の女性スタッフに、「おつかれさまです」と笑顔で返す。
「なにかいいデザインは浮かびました?」
「とりあえず、夏向けの耳飾りは三つばかり出てきました」
開発部の中で二人の男性スタッフのうち、一人の焼けた肌が特徴の島さんが言う。以前、特技はサーフィンだと言っていた。
「そうですか」
パイプ椅子を引っ張りだし、すみませんと繰り返しながら島さんと倉さんの間に入る。
「こんな感じなんですけど……」
島さんに渡された、開発部一の画力を持つ男性スタッフ、寺さんの描いたイラストは素晴らしいものだった。
ドリームキャッチャーのようなデザインで、円にハートが挟まっているようなものだった。ハートの中央にはパール調の玉をつけるらしい。
円の下には二つの羽が描かれている。
円の直径はおよそ一センチメートルと端に書かれていた。
「円の部分は布を巻くんですね。その色はどうしましょうか? それと、長さを出すビーズの色も」
「それはまだ決まってないんですよ。ちょうどさっき話し始めて……」
宮さんの言葉に、「わたしは、夏なのでターコイズブルーやビビットな紫っぽいピンクなんかがいいんじゃないかと思ってるんですけど」と百(もも)さんが言う。
「百さんのは、布の方?」
「そうですね。ビーズはまだちょっと……」
「そうですか。夏はまだ先ですし、ゆっくりでいいですよ」
すみませんと軽く頭を下げる百さんに、そんな全然、と返す。
腹話術が特技だというあまり唇を動かさずに喋る倉さんという愛称の女性スタッフに、「おつかれさまです」と笑顔で返す。
「なにかいいデザインは浮かびました?」
「とりあえず、夏向けの耳飾りは三つばかり出てきました」
開発部の中で二人の男性スタッフのうち、一人の焼けた肌が特徴の島さんが言う。以前、特技はサーフィンだと言っていた。
「そうですか」
パイプ椅子を引っ張りだし、すみませんと繰り返しながら島さんと倉さんの間に入る。
「こんな感じなんですけど……」
島さんに渡された、開発部一の画力を持つ男性スタッフ、寺さんの描いたイラストは素晴らしいものだった。
ドリームキャッチャーのようなデザインで、円にハートが挟まっているようなものだった。ハートの中央にはパール調の玉をつけるらしい。
円の下には二つの羽が描かれている。
円の直径はおよそ一センチメートルと端に書かれていた。
「円の部分は布を巻くんですね。その色はどうしましょうか? それと、長さを出すビーズの色も」
「それはまだ決まってないんですよ。ちょうどさっき話し始めて……」
宮さんの言葉に、「わたしは、夏なのでターコイズブルーやビビットな紫っぽいピンクなんかがいいんじゃないかと思ってるんですけど」と百(もも)さんが言う。
「百さんのは、布の方?」
「そうですね。ビーズはまだちょっと……」
「そうですか。夏はまだ先ですし、ゆっくりでいいですよ」
すみませんと軽く頭を下げる百さんに、そんな全然、と返す。



