一昨日までわたしが座っていたレジ横の作業場へ大翔を連れてくると、わたしは上に立つ人間のスイッチを入れた。

「こちらが相原さんの作業スペースです。製作に必要なものは左の白い引き出しに入っています、自由に使ってください。

補充が必要なものがあれば、右の黒い引き出しに入っているメモ帳に記し、あとでわたしにください」

「はい、わかりました」という大翔の声を確認し、「それではよろしくお願いします」と残し、わたしは商品開発部と洒落た名前を与えた部屋へ向かった。

建物は、あれから何度か増築工事をし、今では結構な広さとなっている。

支店の店長を任せてくれればいいと言うなっちにもほとんどの金を返し、

それでも余裕を持って営業できているのは、たくさんのスタッフさんとお客様の支えがあってのことだ。


ドアに「アクセ・小物開発部」と書かれた紙が貼られた部屋へ入ると、六名の個性豊かな若い男女がいろいろと語り合っていた。