自分の歩幅に合わせて流れる地面を眺めながらベンチの並ぶ方へ向かった。

途中、テニスコート付近でラケットバッグを背負う高校生くらいと思しき集団に会った。

休日なのかと思い音楽プレーヤーを確認したところ、土曜日だった。

数日前に飲料水を補充しておいてよかったと思った。


大学に進んだ兄はわたしが家を出る時間に家にいることもあるようになり、おかげで曜日がさらにわからなくなっていた。


ベンチは、芝生が広がる円形の公園を囲むように一メートルほどの等間隔で並べられており、その一メートルほどの間には木が植えられている。

いつ見ても同じ状態のため、常緑樹の一種だと思っている。


ベンチのいくつかは、老夫婦や小さな子供を連れた若い女性で埋まっていた。

芝生の方では家族連れやカップルなどがいる。

わたしは辺りに人がいないベンチに腰掛けた。