涙に逢うまでさようなら

「さあさあお二人さん。意見をお聞かせくださいな」

静子さんの声で、わたしはシャボンベースの淡い青色の容器を手に取った。

なっちはフルーツベースの淡い橙色の陽気に手を伸ばす。

中身は、一般的な黄色がかった白い個体だった。

手首に馴染ませて嗅いでみると、不思議な香りが嗅覚を刺激した。

「どう?」という静子さんの声に、「不思議な香りがします」と返す。

「爽やかな石鹸の香りの奥に、花のような優しい香りがするような……」

「そうなのそうなの。どう、みさっちょ的には?」

「わたしはすごく好みです」

「ちょっと嗅がせて」と言うなっちに容器を渡す。

空いた右手に淡い橙色の容器を受け取った。

橙色の容器に入った練り香水は、柑橘系の果物の香りをミントのようなスーッとした香りが追いかけてきた。

「こっちもすごくいい匂いです。静子さんすごい」

「みさっちょは他人を動かすのが上手いなあ。会社や店の長に向いてるよ」

静子さんの言葉に、「褒め言葉として受け取っておきます」と返す。

「はあ。確かに、どれもさすが静子といった感じ」

なっちの言葉に、「セブンのお馬鹿な頭にもわかるほどの名作ってことね?」と静子さんは自慢気に言った。