中学校を卒業し、家族も接触してこなくなった現在。

高校に進まなかったわたしは、この上ない自由な時間を過ごしている。

大嫌いな勉強を強いられることがなければ、家族に口出しされることもない。

家族がどういった理由で接触してこなくなったのかはわからないが、結果として接触してこないのであればわたしは充分だった。


自由になってからおよそ四か月。

右脚の痣はもうだいぶ前に消えた。


公園に着くと、去年からはまっている清涼菓子を二粒口に含んだ。

装着しているイヤホンからは、大きな音で気持ちのいいダンスミュージックが聴こえてきている。


音楽を聴きながら口内に清涼感を広げ、まったくといっていいほど他人の姿を見ることのない公園を歩くこの時間が、今のわたしにとっての宝物だ。