涙に逢うまでさようなら

ふとここさんの隣にいるあきっちょさんの作ったものへ目をやると、それぞれの季節に合わせたブレスレットとアンクレットが大量に並んでいた。

「あきっちょさんすごい……」

思わず呟くと、しばらくして「なにか言った?」と返ってきた。

「いえ、すごい進んでるなあと思って」

「ああ。あたし、一つのことにしか集中できないからさ」

「そうなんですね」

いいんだか悪いんだかね、と笑うあきっちょさんに、適度に休憩もしてくださいね、と笑顔で返した。


手伝いに来てくれた六人は、十八時頃に帰っていった。

「みんなすごいねえ。たった一日でここまでできちゃったよ」

二人きりになった空箱の中で、なっちは嬉しそうに言った。

「本当。なんでなっちの友達って器用な人が多いの?」

わたしは六人が作ってくれたものと自分が作ったものをまとめながら言った。

それぞれのものを、季節ごとに分けて袋に入れていく。

「別に器用な人が多いわけじゃないよ? あの人たちは友達の極一部だし」

「極一部が六人もいるとは。なっち、友達のこと全員覚えてる?」

「覚えてるとも。今回声掛けた、あの人たちも入れた十四人とは最近も連絡取ってたし」

「十四人と連絡を取りながら学生してたの、ついこの間まで」

「まあまあ、いっても毎日じゃないし。そう言うみさっちは友達どれくらいいるの?」

わたしは最後に、亜美さんが作ってくれた夏向けの編みバッグ一つを袋に入れた。

これだけ凝ったものを一日も掛けずに作るとは、もっと単純なものを作らせたらどれだけの数を作るのだろうと考えた。

なっちの質問にため息をつく。

「わたしに、友達なんて二人しかいないよ。なっちを含めてね」

なっちは目を見開き、「嘘でしょ?」と驚いたように聞き返した。

「嘘じゃないよ。なっちの他に、男一人だけ」

「寂しい人生だねえ」

「やめてよ、その心から哀れんでるような言い方」

「だって本当にかわいそうなんだもん。せめて今回声掛けた十四人とは友達になりな」

「別にいいよ。友達がいないということで困ったこともないし。まあ今回は、なっちがいて本当に助かってるけど」

一人じゃお金もなにもないからね、と続け、レジになる方へまわった。

「ちょっと、そこに並んでる袋渡して」

伸ばした右手に、「はい」という声とともに袋が載せられた。