大翔が沈黙を破ってからは、長く短い約五年間を語り合った。

話は一度現在に追いつくと、すぐに未来へ進んでいった。


「やっぱり、緊張する?」

「うん……」

なにせ俺周りの人より年いってるからねと言う大翔にそうだよねと返してしまうと、そうだよねじゃないよと返された。

「でも、平気じゃない? 大翔顔幼いし」

「本当? 二十歳のおじさんに見えない?」

「おじさんって言わないでよ。そうしたらわたしも二十歳のおばさんじゃん」

「そっか」

流れそうになった沈黙を、「ところでさ」と払う。

「大学ってどんな場所なんだろうね?」

「俺もわかんない……」

大翔は呟くように答えると、手首の時計を確認した。