涙に逢うまでさようなら

昼休み、なっちがおにぎりと炭酸飲料を購入する横で購入したスティックパンをかじりながら、わたしはそれ用のノートに絵を描いていた。

「どこの絵?」

降ってきた声に顔を上げると、「前から気になってたんだけどさ」となっちは笑った。

「どこでもないよ。未来理想図」

「未来……リソウズ?」

「後にこうなったらいいなって思ってね」

「どういうこと?」

「わたし、ここを卒業したら雑貨屋を経営しようと思っててね」

店内を描く細い線を少しずつ濃く太くしながら言うと、なっちは「雑貨屋さん?」とはしゃぐ子供のように言った。

「みさっち、社長になるってこと?」

「まだ成功するかもわからないけどね」

手を動かしながら返し、短くなったパンを口に入れ、ジーンズに左手をこすりつけた。

「じゃあその絵、みさっちがやる雑貨屋さんの絵ってこと?」

「そうだね。店内はどんな感じにしようかなって」

なっちは「あとでいいからちょっと見せて」と楽しそうに言った。

つい先ほど名付けたこの未来理想図は、すでに十枚近く描いていた。

ほんわかした雰囲気にするか小洒落た雰囲気にするか、少しわちゃわちゃした雰囲気にするか、などと考えるうち、結構な数描いてしまったのだ。