途中、十食のカップ麺のうち一食が袋から逃げ出すという災難に見舞われることがありながら家に着いた。

袋の中で窮屈そうにするカップ麺にもう少し頑張ってくれと念を送りながら階段を上った。


強烈な疲労感とともに部屋に辿り着くと、すぐにミネラルウォーターの箱を床に置いた。

その上に載せていた袋からぼろぼろとカップ麺が落ちる。

わたしはため息に似た息を吐き、ミネラルウォーターの箱を足で紫色のかごの前に移動させ、

落ちたカップ麺を何食かのカップ麺が残るビニール袋に戻す。

紫色のかごはすでに満たされている。

大量のカップ麺で膨らむビニール袋の持ち手部分を軽く縛り、ミネラルウォーターの箱の上に置いた。


音楽が聞こえる状態のままでベッドに倒れ込む。

仰向けになり両手両足を広げ、存分に呼吸をすると、イヤホンのコードを伝ったやかましい音がダンスミュージックを邪魔した。

プレーヤーを操作する前にイヤホンを外す。

ぼんやりと天井を眺めているうちに眠気が襲ってきた。