涙に逢うまでさようなら

わたしの専門学校入学までのおよそ一か月、わたしたちは一日も欠かさずともに過ごした。

大翔が勉強の本を買いに自転車を一時間漕ぐときはわたしもついていった。

手芸の本を購入した。

おかげで、編んで作る細長いものならほとんど作ることができるようになった。

家には、練習で生まれたブレスレットやミサンガ、マフラーがたくさんある。


専門学校へ入学してからも、学校が休みの土曜日と日曜日はともにそれぞれの勉強をしている。

ほとんど言葉も交わさず、それぞれのことを黙々とやっているのならば一緒にいる必要はないようにも思えるが、互いは互いにとってそばにいると落ち着く存在なのだ。

同じことをやるにしても、そばに一方がいるといないとでは捗り方や集中力の持続時間がまるで違う。


「いたーい」

縫い針で指を刺したという報告へと化しつつある言葉を発し、絆創膏の包装を開ける。

今日使用する絆創膏はこれで三枚目だ。

自分に向いているのは縫い物ではなく編み物であると、薄々感じてきている。

今日ほんの数時間で、左手人差し指の腹と指全体を見ての中心辺り、さらに今、中指の先を刺した。

こんなところにどのようにして絆創膏を巻けというのだと思いながら、なんとか中指に絆創膏を巻いた。