涙に逢うまでさようなら

迷彩柄や文字入りのミサンガが様になるようになった頃には、それぞれの入学試験が訪れた。

大翔は、自身の兄よりもわたしの兄よりも難易度が高く、世間の評価も高い国立大学の、

わたしは資格取得率の高さが自慢であるらしいビジネス専門学校の入学試験だ。

試験日は偶然にも同じ日だった。


試験の数日後、「今メール大丈夫?」と大翔へメールを送信した。

「大丈夫だよ」と一言返ってきたため、「入試、どんな感じだった?」と送信した。


「緊張感の塊。落ちてる気しかしない」

「まじか。こっちは思ってたほど堅苦しい感じじゃなかった。わたしが感じなかっただけかもしれないけど。

結果は、今気にしてもしょうがないでしょう。今どれだけ気にしたって変わりやしないよ」

「本当、可能ならば美紗になりたいよ。その考え方を分けてほしい」

「大丈夫だよ。あれだけ頑張ってたんだし。だめだったならだめだったで、もう一回受けたらいいさ。通知はいつ?」

「三月」

「そうか。こっちはそろそろ」

送信してから、自然に早くこのやり取りを終わらせる方法を考えた。

大翔が疲れていることがなんとなく伝わってくる。

「それじゃあ緊張するねって言いたいところだけど、美紗はそういうの感じないのかな?」

その文字が届くと、それを追うように「ごめん、またあとで連絡ちょうだい」と続いた。

「わかった。こちらこそごめんね」と短く返し、わたしは検索アプリを開いた。

自由に過ごせるうちに少しでも多くの技術を身につけておこうと思った。