涙に逢うまでさようなら

「いやあ、高等学校卒業程度認定試験。ようやく終わったなあ」

九月中旬、わたしは大翔の部屋でそこにあった漫画を読みながら言った。

外ではわたしを祝福するように、蝉たちが力強く叫んでいる。


「美紗はいいなあ。もう勉強から開放されたんだもんね」

大翔は参考書の内容を目で追い、一部をマーカーペンでなぞりながら言った。

「まあね。大学校なんていう堅苦しい場所、わたしには絶対合わないから」

漫画の世界へ戻ると、ページをめくった直後の主人公の一言に噴き出した。

「楽しそうでなによりだ」と言う大翔のそばで、わたしはその主人公の友人である人物のつっこみに爆笑した。


家に帰ってからは、大翔に借りた漫画を読んだ。

終始、腹がよじれるほど笑った。

漫画は完結まで十巻あったのだが、すぐに読み終えてしまった。