涙に逢うまでさようなら

バレー版キャッチボールは、大翔が蹴ろうとしてなのか玉乗りを始めて尻から転んでしまったために中止した。

幸い、転んだ際に手もついていたようで大事には至らなかった。

バレー版キャッチボールを中止してからは普通のキャッチボールを始めた。

なにか変わったことがしたくて、ボールを投げるときに一つずつ文字を言っていき、言葉を作るという遊びをしてみたが、

「読み込み中」と「擲果満車(てきかまんしゃ)」、「魯魚亥豕(ろぎょがいし)」ができただけでそれほど盛り上がらなかった。

なにかを読み込んでいる美少年が書き誤りの多い文字をどうにかしたというのはどういった状態なのだろうかという会話をしたくらいだった。


「じゃあ、初恋はいつ?」

わたしは言いながらボールを投げ返した。

「恋愛感情は前世に忘れました」

質問の答えとともにボールが返ってくる。


普段あんま話さないことを話そうゲームだ。

一方が普段あまり聞くことのないことを尋ねながらボールを投げ、もう一方はその問いに答えながらボールを返すというものだ。


わたしは「同じく恋愛感情は前世に忘れた」と言いながらボールを返した。

「学生時代嫌いだった教科は?」

ボールとともに大翔から返ってきた問いに、「音楽」と言いながらボールを返す。

「俺は体育」

やはりそうかと思いながら返ってきたボールを受け取る。