翌日から、大翔との勉強を再開した。

勉強を再開してから、家にある書籍の数がかなり増えた。

相原家も同じだと大翔は言っていた。


どちらかが勉強に飽きそうなときは、集中力が続いているどちらかが励ました。

ときには、同じことをしていると再確認するため、一つの教材をともに眺めることもあった。


五教科を学ぶことに対するメリットがたくさんあったわけではない。

得られるのは、わたしにとっては九割九分デメリットだ。

たった一理でありながらわたしを動かしたメリットは、大翔といられることだった。

しかし、大翔に対して恋愛感情なんていうかわいいものを抱いたわけではない。

ただ、彼といる時間が好きなのだ。

友人以下という浅い関係でありながら、彼はわたしの中で最も大きな存在になっている。

そのことは今まで、幾度となく感じてきた。

しかし、なぜ彼がここまで大きな存在なのかはわからない。

関係はやはり友人以下であり、同じようなところは似た経歴だけである。

性格も物事の捉え方も全く違うのに、よくもまあここまで大きな存在へと成長したものだと思う。