「……どこで買ったの?」
「作ったの」
「馬鹿じゃないの、こんな面倒なことしてるから勉強進まないんでしょうが」
「勉強が進まないから作ったんだよ」
二つもね、と付け加えると、大翔はパーカーの袖を少し上げ、左の手首を見せた。
黄緑地に橙の文字で、アルファベット大文字、ヒロと書かれたものがその手首を飾っていた。
「アイをイーにするか迷ったんだけどさ」
「英雄か。よく自分でそうするか迷えたな」
「でも結局、ちょっと切れるまで身につけていられないなと思って」
大翔の笑顔から、手元のミサンガというよりブレスレット言った方が正しいような品へ視線を移した。
「おい待て、これ切れなくない? がっつり補強してあるんだけど。手錠じゃねえんだから」
「見た目重視したらそうなった」
「まじかよ」
まさか友人以下の人間からもらったものを大事に身につける日が来るとは思わなかったぜと言いながら
左の手首に洒落たブレスレットをつけると、大翔は「やっぱり似合うね」と嬉しそうに言った。
「似合う?」
手首を見せて確認すると、大翔は素敵な笑顔で「とっても」と頷いた。
「やっぱり美紗は黒だ。好きって言ってた青や紫とも迷ったんだけど、俺の中で黒のイメージが強くて」
「そうか」
言いながら、自然と笑みが浮かんだ。
ここまで自分のことを考えてくれたと感じられたのは初めてだった。
「作ったの」
「馬鹿じゃないの、こんな面倒なことしてるから勉強進まないんでしょうが」
「勉強が進まないから作ったんだよ」
二つもね、と付け加えると、大翔はパーカーの袖を少し上げ、左の手首を見せた。
黄緑地に橙の文字で、アルファベット大文字、ヒロと書かれたものがその手首を飾っていた。
「アイをイーにするか迷ったんだけどさ」
「英雄か。よく自分でそうするか迷えたな」
「でも結局、ちょっと切れるまで身につけていられないなと思って」
大翔の笑顔から、手元のミサンガというよりブレスレット言った方が正しいような品へ視線を移した。
「おい待て、これ切れなくない? がっつり補強してあるんだけど。手錠じゃねえんだから」
「見た目重視したらそうなった」
「まじかよ」
まさか友人以下の人間からもらったものを大事に身につける日が来るとは思わなかったぜと言いながら
左の手首に洒落たブレスレットをつけると、大翔は「やっぱり似合うね」と嬉しそうに言った。
「似合う?」
手首を見せて確認すると、大翔は素敵な笑顔で「とっても」と頷いた。
「やっぱり美紗は黒だ。好きって言ってた青や紫とも迷ったんだけど、俺の中で黒のイメージが強くて」
「そうか」
言いながら、自然と笑みが浮かんだ。
ここまで自分のことを考えてくれたと感じられたのは初めてだった。