フードを脱いで百円ショップに入ると、大股で割り箸の並んでいる辺りへ向かった。

八十膳入りのものを二袋購入し、さっさと店を出てフードを被った。

計百六十膳の割り箸が入ったビニール袋の持ち手に右手首を通し、両手をパーカーのポケットに突っ込む。

自分の歩みに合わせて流れる地面を眺めながら、スーパーマーケットへ向かった。


昨日、父親の財布から頂戴した紙幣は、二枚とも万札だった。

金のあるうちに、いつの間にか主食となったカップ麺と、主にそれを作るためのミネラルウォーターを補充しておこうと思った。


スーパーマーケットの入口前でフードを脱ぐ。

自動ドアをくぐると買い物かごを取り、カップ麺の並ぶ方へ大股で向かった。

別に急いでいるわけではない。

ただ、店もあまり好きでないのだ。

他人がいる場所が嫌いだ。