涙に逢うまでさようなら

勉強はなかなかの勢いで進んだ。

そのせいでと言うべきかそのおかげでと言うべきか、簿記の勉強を開始してからおよそ四か月で壁が立ちはだかった。

体力を使い果たしたのだ。

簿記の本は、あれから二冊増えた。

入門、中級、上級の三冊が今の部屋にある。

P言語の本に関しては、購入の直前に開いて以来一度も開いていない。


その日わたしは、部屋着にパーカーを羽織った。

大翔と色違いの、グラデーションがかかった京紫色のものだ。


ポケットに音楽プレーヤーと携帯、小銭入れを入れ、ネックストラップについた鍵を首に掛けて部屋を出る。

階段を下りながらイヤホンを装着した。


玄関を出ると、なんとなく寂しいような涼しい風が前髪を揺らした。

ポケットの中のプレーヤーを操作し、玄関の鍵をかけてフードを被る。