涙に逢うまでさようなら

出入り口付近の自動販売機で購入した水を一口飲み、自動販売機の隣にしゃがんだ。

数メートル先を鳩が歩いている。

熱風に前髪を揺らされながら建物の壁に頭を当て、深く呼吸をした。

胸の辺りがざわつくような感覚に襲われ、強く目を閉じる。

久し振りの感覚だった。

焦燥感に似たものと同時に感じるものだ。

はあと息を吐きながら顔を前に向け、ゆっくりと目を開けた。

中へ戻るのが憂鬱だ。

パーカーのポケットを確認すると、清涼菓子の容器があった。

それを取り出し、振って出てきたものを全て口に放る。

結構な量だが、今のわたしにはちょうどいい。

口の中のそれを全て噛み砕いた。

清涼菓子を飲み込んだ直後に水を流し込むと、喉から食道を満たす強い清涼感が少しばかり気分をも落ち着けた。