冷酷な王さまは愛し方を知らない



ドクン、ドクン、と心拍数が上がる。
怖ろしい計画を知ってしまった。



「どのようにされるおつもりか」

「室内では無理。キースって側近が近すぎるわ。だからここで話している時に花の死角に入ってその時に…」

「抜かりなきよう」

「わかってるわ!さっさと行って。誰かが来るかもしれないでしょ」




ルナさんは不機嫌そうにそう言う。
私は慌てて見つからないように部屋に帰った。

心拍数が収まらない。
嫌な汗が噴き出る。

どうしよう。
このままでは…。


アルさまに教えなくちゃ。
でも、信じてもらえなかったら…?
キースさんに…?


でも、もしそれで阻止したとしても、証拠がなければ捕えることはできないかもしれない。
そうなったら、それはただ時間を稼いだだけになってしまう。


別の日に、別の手段でアルさまの命を狙いに来る。
そうなっては意味がない。


やっぱり、現行犯で捕まえなきゃ。