冷酷な王さまは愛し方を知らない



みんな、それぞれの想いを持ってここにいる。
王妃になりたい人。
秘密を持った人。
私のように、目指してはいないけれど今の時間を大切にしたい人。



ルナさんはどうなんだろう。
ほとんど話したことのない方。
どんな人なのかもいまだによくわからない。



そんなことを考えながら心を落ち着かせるため中庭を歩いていた。



「…てるわ。必ず成し遂げます」




この声、ルナさん?
誰かと話しているような声が聞こえた。



立ち聞きはよくないと踵を返そうとした時。



「必ず、この手でアルヴィンを仕留めるわ。お父様のために」



意志の強い声で恐ろしい言葉が聞こえてきた。
思わず足を止める。
今のは、アルさま暗殺計画ということ?