冷酷な王さまは愛し方を知らない



アルさまと少しでも仲よくなれるのは嬉しいし。
アルさまにも、少しでも楽しんでもらいたい。


そう思う事は、いけないことだろうか。




「私は、王妃さまになりたいわけじゃありません。ただ、一緒に過ごす時間が少しでも楽しくなればいいと思っているだけです」

「なにキレイゴト言ってるの。そうやって自分は綺麗なつもり?」

「キレイゴトなんて…」




必死さが伝わってくる。
だけど、私だって譲れない。
候補者選びは、きっと正々堂々と行われるべきだ。
こんな風に陰でいがみ合うのなんて絶対によくない。



「私の邪魔は、絶対にしないで!」



そう言い放つと肩を怒らせたまま去っていった。
こんな風に争いたくなんてない。

穏やかに、穏便になんて無理なんだろうか。