冷酷な王さまは愛し方を知らない



「きゃっ…」



地面に叩きつけられるように倒れる。
マナーレッスンの後、私はミリアさんに呼び出されていた。


誰もいない場所で、向かい合うといきなり突き飛ばされ地面に倒れこんだ。




「どうやって王さまに取り入ったわけ!?」

「…え?」

「どうしてあんただけが呼び止められて、名前まで呼ばれるの!あんただけは許せない!あんたに負けるのだけは絶対に嫌!!」




ミリアさんがヒステリックに叫ぶ。
さっきの廊下でのことだ…。

私がリズとアルさまに呼ばれたことが気に入らなかったのね。




「別に、私は…」

「自分は興味ないとか言って、一番虎視眈々と狙ってんじゃない。卑怯者!」

「そんな!」



そんなつもりない。
王妃としての立場には今でも興味なんてない。
でも、確かにアルさまとの時間は最近楽しいと感じてる。
前回いろいろと話ができたのも、ピクニックをしたのもとても楽しかった。

だから、せっかくの時間楽しまなきゃって思ってる。