冷酷な王さまは愛し方を知らない



アルさまが大勢の軍を率いて戦場に出立して早3日。
当たり前だけれど、戦況が私のところに入ることはなくて、どうなっているのか不安だ。


クリスさんはアルさんと共に行ってしまった。
心配だけど、それがクリスさんの仕事。

サーシャさんは知らなくてよかったかもしれない。
この待つ時間がこんなにも不安で恐怖か。
こんな気持ち、きっとクリスさんもサーシャさんに味あわせたくなかったんだわ。



「アルヴィンさまとどんな風に過ごしてるの?」

「…え?」



広間で候補者の皆と食事をとっている時にミリアさんがそう問いかけた。



「どんな…」

「庶民がバカにされるような発言はしないでね。私まで一緒にされたくないから」

「……はい」



庶民とか、王族とか、そんなに大切なことなんだろうか。
どう繕ったって私が庶民なことは変わらない。


仕方のないこと。


ミリアさんは、庶民だということに引け目を感じている。
悲しいことだと思うのに。