冷酷な王さまは愛し方を知らない



キースさんが出て行き、王さまも起き上がると部屋を出ようとする。



「あ、あの!」

「…なんだ。急いでいる」

「なにか、支度のお手伝いとか…、できることはありませんか?」



ジッとしているよりは何かの役に立てるなら。
私の言葉に、王さまは少し考えた後口を開いた。



「着がえを。ついて来い」

「…はい!」




私は急いで王さまの後を追う。
なんだか、いつになく城内が騒然としているような気がする。


追いかけてやってきたのは王さまの自室。
入っていいのか戸惑いながらも、手伝うと言った手前勇気を出してついて入った。




「一番右に一式衣装が入っている。鎧も含めすべて持ってきてくれ」

「はい!」




言われるままクローゼットを開き中のものを抱え込んで運ぶ。
ずっしりと重い。
これを身につけて戦うんだ。