冷酷な王さまは愛し方を知らない



「とてもお疲れのはずです。このような候補者選びをしなくてはいけない程度には知らぬ間柄の者たちばかりなのでしょう?気疲れするのでは…」

「お前が気にすることか?」

「それは…。ですが、私は王妃になることを望んではいません。王さまによく思われようと頑張る必要はありませんし。秀でているものもありませんので披露するものもありません。他にこの時間の有効な使い道が見つからないのです」




その上で考えた結果、王さま自身のためにつかった方が合理的だと結論が出た。
そうすれば、きっと王さまは私の時間休めるから他の方との時間をもっと有意義に使えるようになる。
きっといいこと尽くしだ。



「ですので、おやすみになってください。さすがに離れるわけにはいかないでしょうから、私もここにおります。1時間たった時、お知らせしますから」

「・・・別に俺は寝ずとも」

「眠れずとも目を閉じれば少しは体も休まります」

「強情な女め。お前はどうするのだ」

「ここで本でも読んでおります。ここには目を惹く小説が山ほどありますので」