冷酷な王さまは愛し方を知らない



「王さま、ここに横になってください!」

「・・・は?」

「さあ、時間がありません!早く!」



ベッドの布団をはいでそう言った私に、王さまは怪訝な顔。
トントンとベッドを叩いて促した。



「寝ましょう」

「・・・は?」


怪訝な顔をするだけの王さまを強引に手を引いてベッドに横にする。




「金で心は動かないと啖呵を切っておいて、なかなか大胆な女だな」

「えっ、ち、違います!私はただ休んでほしくて」




あらぬ方向に勘違いをしていた王さまに私はすぐさま否定した。
というよりも、そういった事もしてもいいという事なの?
そういえば、キースさんが合意の上で自由にと言っていた。
王さまが合意さえすればいいという事…?
怖ろしい候補者選びだ。



「昨日までとてもお忙しかったと聞いています。今日もこれまでに3人と1時間ずつ過ごされたあとなのでしょう」

「それがどうした」