冷酷な王さまは愛し方を知らない



「そこまで仰っていただいて、お断りするわけにはいきません。慎んでお受けいたします」

「そこまで固くならずともいい。家族として迎えたいといっているのだ。自分の家と思って寛いでくれたらいい」


そうは言っても、二人の性格からしてしばらくは無理だろうな、なんて娘である私としては思う。
でも、慣れてほしい。

私のそばで、支えてほしいのだから。

アルさまにはもうご両親はいない。
だからこそ、家族というものをアルさまにももっと親しんでほしい。

だって、私とアルさまはこれから新しい家族を迎えて、幸せな家族になるのだから。


「リズ。おめでとう。子供だなんて・・・ほんとうに、一気に幸せが訪れたみたいだ」

「うん。ありがとう。これから、よろしくね。おじいちゃん」

「ああ、おじいちゃんか。いい響きだ」

「ほんとうに、ほんとうに、夢のようだわ」

「夢じゃないわ。おばあちゃんになるんだから。これからも元気に長生きしてもらわないと」


すっかり病気も治って元気になったお母さん。
だからこれからもずっと元気でいてほしい。