冷酷な王さまは愛し方を知らない



「お父さん、お母さん。心配をかけてしまってごめんなさい。でも、アルさまのお陰でこうして戻ってこられたの。それとね、二人に報告したいことがあるのよ」

「ああ、そうかい。本当に、無事でよかった」

「報告とはなんだ?」


私はアルさまと顔を見合わせる。
アルさまは表情を綻ばせて二人に向き合った。


「リズのお腹の中に、新しい命が宿っております。私とリズの子です」

「な、なんと・・・!」

「お二人には、私たちの子の祖父母として我々、そして生まれてくる命を支えていっていただきたいのです」


二人がこの家に愛着を持っているのはわかっている。
二人がここを離れたくないという強い意思をアルさまは受け入れてくださった。

でも、もし叶うのなら。
私とこれから生まれてくる命のため側にいてほしい。